1 1998年11月27日

気球ミーティング議事録 1998年11月27日@名大物コロ室 出席:芝井、川田、有村、伊藤、廣岡、日比(名大)、奥田、成田、巻内、岡村(宇宙研)、奥村(通総研)、土井(東大)

●データ解析報告

・検出器感度@実験室(土井:資料有り)

検出器単体、及び観測用冷却光学系込みの感度測定データを、フィードバック抵抗値の測定結果をフィードバックして解析。 不明な点がいくつかあり、最終結果に至らず。⇒巻内にまとめを依頼。

・真空窓(ポリプロ)の屈折率(伊藤:資料有り)

ポリプロの透過率測定結果に見られた「うねうね」:窓材の表裏の干渉と考えてコンシステント。屈折率は1.5前後。

・フライト直前の電波通しの際の検出器ノイズ(有村:資料あり)

ノイズの分散値はフライト中と同様:地上試験時からノイズは乗っていた可能性大。 但し時系列の波形はスパイキーであり、フライト中と表情が違う。(スパイクを除けば分散は小さい??) 17ch〜32chの、A/Dボードを拡張した部分について、他より有意に分散が大きい。 →より詳細な解析へ(担当:土井)。

・スターカメラのデータ(有村:資料あり)

1)像のにじみの解析

木星の像を利用。但し伝送フォーマットの関係で木星の丸い像の全体は送られて来ない。 よって複数の像を重ね合せ、一つの像とする。 その結果、像の大きさは20’角程度。→かなりぼけていた事を確認。 一方、ぼけた像の総ピクセルを足し合わせた全体の明るさは、木星の明るさとコンシステントに見える。 →感度低下の原因は、ピントのずれのみで説明される可能性大。 より詳細なチェックへ(担当:有村)。

2)スターカメラの視野

木星の像のスターカメラの視野内での動きから、スターカメラの視野の大きさを知る。 El方向は、事前測定とピッタシ。Az方向は1割程度違った。 →ゴンドラの振り子運動等を考慮に入れて、再検証。

3)Az、El絶対値決定

木星位置から、Az、Elの絶対値を知る。 これを検出出来た他の2つの星の位置への適用。 一つはλScoと同定。 もう一つ視野の端でにじんでいたのは、ηSgrでは??(但し位置はElが1度以上合っていない。) λScoのすぐ隣にあるνScoは全く受かっていない。これは感度の著しい低下を示す(限界等級1等程度)。

●次期観測へ向けての準備状況

・検出器(廣岡:資料有り)

4×4素子組み立て終了。圧力20Kgf/mm投入成功。 現在冷却試験へ向けてのセットアップ(配線)中(ほぼ終了)。 セットアップ終了次第、冷却試験、再加圧へ。

・冷却光学系(土井)

鏡の再研磨中に、部材中に気泡状の穴がある事が判明。 再研磨を諦め、鏡は2枚とも再製作。その後金状着を行う。 その他の部材は再利用(塩抜き、塗装除去、表面処理済み)。 納期今年一杯予定。

・クライオスタット(巻内:資料あり)

最終見積り。納期10〜12週間。 今回はHeヒーターを付ける(土井:資料あり)。 窓保護は現段階では対策せず。 以上の使用で製作GOを確認。

・搭載回路等(有村:資料あり)

On-board PC1 を交換。その結果キーボード、マウスの認識復活。(破損原因は不明。) スターカメラのレンズ:FDレンズを1本だけ発見。これを発注し、予備として現在の物を修理する。 その他各種消耗品の発注済み。一部納入済み。 EMIフィルターが未発注。→発注へ。

搭載回路与圧容器の再製作:細かい仕様変更(取っ手、EMIフィルターの取扱い等) 地上試験時の回路の放熱対策??

・ゴンドラまわり(成田)

1)望遠鏡架台は再製作。その際にサイズを小さく出来ないか、森製作所で検討中。 これが可能なら、ゴンドラのサイズの縮小も検討する。 (現ゴンドラを再利用するかどうかは、その上で判断。) ゴンドラ側壁は、アルミ板に変更。 クラッシュリング、バラストボックス等の取り付け方法は、今後検討。

2)モーター類のシャフト、ホイールは、出来るだけ再使用の方向で検討中(森製作所)。 但し地上回収にそなえ、予備を購入する。

3)NiCd電池の長時間環境試験を行う。ユアサと打ち合わせの上1or2月頃? 専用電池ボックスの製作へ。

4)主鏡再蒸着:12月半ばに山田光学へ。 主鏡ホルダーも再製作。 主鏡反射率の測定:中川氏の帰朝を待って、担当を決定。

●インドとの協力体制(芝井)

・バルーン2個確保。1個はストック物。もう1個は新たに製作。

・検出器アレーの供給

インド技術者(d'Costaさん)に来年3、4月頃に駒場に滞在してもらい、4×8素子、読み出し回路の製作を行う。全てがうまく行けば、インドに4×4素子アレーを提供。 以上の条件でインド側とアレンジ中。 (我々の次期観測に4×8アレーを用いるかどうかは、準備状況を睨みながら判断。)

●今後のスケジュール

今年中に、 主鏡再状着、ホルダー再製作了 2月を目処に、 4×4素子アレー組み立て、単体試験了 電池環境試験了 クライオスタット納入 修論完成 7月を目処に、 4×8素子アレー完成 その他各コンポーネント単体での準備了 8月中に、 総合試験 9月早々に、 インドへ発送

スケジュール管理を土井が行う。→各位は作業進展状況を逐一報告されたい。

●その他

大気球シンポ:12月3日(木)午前に土井、有村が発表。座長芝井さん。

次回打ち合わせ:2月末頃?各作業が一段落した時点で。 その際に、今後の観測マスタープラン(分光器の開発?)についても議論。

以上。 (文責土井)


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