2 1999年3月16日

●気球打ち合わせ議事録

1999年3月16日(火) 午後13:00〜 名大U研 出席:芝井、川田、有村、伊藤、(名大理)成田、巻内、岡村(宇宙研)、土井(東大養)

[報告]

・旧4×8検出器感度見直し(巻内、資料あり)

フライト前5月に行った、実験室での感度測定値の見直し 低温での帰還抵抗値を考慮に入れた結果、AC感度は 46±12 [A/W] フライト中に感度が低下していた原因は、依然不明

・検出器製作状況(土井(廣岡の代理)、資料あり)

4×4素子検出器製作完了。感度 14 [A/W]、NEP 2×10-16 [W/√Hz]、感度ピーク波長 70cm-1 程度。 感度は小さいが、NEPは気球観測には全く問題無い値。 ブレークダウン電圧は70mV程度。Vb=30mV程度からヒーティングアップが始まる→圧 力は十分かかっている?? しかし相変わらず200μmでは感度が無い。原因は?? (とりあえずピーク波長がまだ短いが、再加圧はバックアップの検出器が出来てから。)

・クライオスタット周り調達状況

冷却光学系:納入済み。ジェネシアのテストデータを見る限り問題無い性能。 クライオスタット:最速で4月頭納入予定。 クライオスタット窓保護:懸案のまま。透明カバーを着けて上空で開ける?乾燥ガス を流す?

・搭載回路関連(有村、資料あり)

ジャイロの無事を確認。I/Oのビットレートを9600bps→19200bpsとした3台を新たに 購入済み。現有の3台も今後改修し、計6台中3台をインドへ渡す。

与圧容器再製作。EMIフィルターが外付けで壊れ易かったため、これを容器内に収め る様改良する。また地上試験中に容器内温度が上昇しすぎない様、サーマルストラッ プ等の対策を施す。打ち上げ時5Gに耐えられる様、内部の取り付けを強化する。回路 用与圧容器には取っ手をつける。

搭載エレキ:ダメージの無い事を確認。次回フライトについては、このままのボード 構成で望む。

・スターカメラ感度試験(伊藤、資料あり)

手元に残った予備のCCDの感度を宇宙研にて測定。限界等級6等程度で、フライト前の 測定とコンシステント。ピンボケ状態の測定も行ったが、フライト中の感度低下を再 現しきれず。 →光を入れた環境試験により、低温真空環境下での性能確認へ。

・ゴンドラ周り/望遠鏡改修状況(成田、伊藤、資料あり)

"富士山台"横幅 1600 mm -> 1060 mm にリサイズ。エレベーション可動範囲は0°〜 +50°。 これに伴いゴンドラ横幅は 1300 mm へ。 残る問題は、ゴンドラ上部が光束を蹴らないか、ゴンドラ下部のホイール、与圧箱等 の配置をどうするか。

・主鏡/"スカート"納入状況(成田)

納入済み。蒸着膜圧&コーティング/反射率の測定結果は?(成田さん・中川さん間で 確認)

・NiCd電池試験結果(伊藤、資料あり)

オンボードエレキ、ジャイロに電源を供給する条件を想定し、低温下での放電特性を チェック (各モーターの電源は、リチウムで供給予定。) 4系列パラ(40Ah; 保持時間12時間見込み)に対し、15時間の保持時間が確認された。 保持時間に更に余裕を持たせるため、6系列パラ(60Ah; 電池総重量58kg)とする事を 検討。

・インド気球実験報告(中川、資料のみ、発表は芝井)

上空風の条件の回復が見込めず、今シーズンのフライトはキャンセルとなった。 来シーズンは日本望遠鏡と併せ、1シーズン4フライトを目指す(!!)。

・インド側との打ち合わせ報告(芝井、資料あり)

メカニカルインターフェース: 放球車にはゴンドラは横向きに吊り下げる。従ってゴンドラ横幅は 1700 mm 以内に 制限。クラッシュパッド、保護枠(後述)等は、この範囲内で取り付ける。 吊り下げ時ゴンドラ保持用のハンドル(取っ手)が必要。 パラシュートカッターを使わないので、着地後地上を引きずられても良い様に、保護 枠が必要。 吊り下げ用ユニバーサルジョイント:放球時 5G <-> 3t に耐え得る物を選択。 バラストは 150kg 搭載。バラスト箱はTATA側が設計。 他のインド側機器(テレメトリー回路等)は小さい物なので、空いている場所に適当に 載せる。 回収用トラック荷台寸法 2.1 m × 1.8 m × 3.0 m (横×高さ×奥行き)→ゴンドラ は横向きに載せる。 回収時クライオスタットは外すが、座席等に載せる場所は無いので、搬送用箱が必要 。寸法をインド側に知らせる。(A/I土井)

テレメトリー: 我々側のデータとTIFR側HKのデータを混ぜてPCMエンコーダーに放り込んで送る。→6 4kbpsで送信。 我々の出力は、OCS1/OCS2:FIFOバッファを通し出力、OCS3:PCMデコーダーを通し出力。 このFIFOバッファとPCMデコーダーを、こちら側で製作。 TIFR側は、HK用回路とPCMエンコーダーを製作。 詳細はD'Costa氏来日後、芝井、D'Costa間で打ち合わせて決定。

コマンド: 18ビットのデータコマンドが使える。こちらから使用要求を出したのは、16bitのデ ータコマンド+パワーオン/オフ+CPUリセット。16bitの内容については、こちらで 独自に決める。 注意する点:インド側回路をコマンドでオフすると、再オンができない!(コマンド 受信機を含めてオフになってしまう。)

搭載電源: インド側回路についても、我々から電源を供給する。必要電力の見積りを要求中。

搭載回路グランド: 日本国内で作業終了。電波噛み合わせも日本で行っておく。

GSE: ビットシンク、PCM Decommutatorは、日本から持っていく。1セットのみでバックア ップなし。すべてのQLパソコンがこれにぶら下がる。 気球HK、GPSデータ用のQLソフトは、インド側が用意する。観測データ用のQLは日本 側が用意する。 バックアップとして、アナログデータをテープに記録。 コマンドはインド側のPCから打つ。ソフトはインド側が用意する。

地上系電源: 真空ポンプ、QLパソコン等我々側の必要とする電力を予め知らせる。 電力供給が不安定な為、10分間程度(実験施設の非常用電源が立ち上がるまでの時間) の非常用電源を日本側で用意する。 240V -> 100V のトランスは、すでに中川さん達が持っていっている筈。

液体ヘリウム: 250リットル容器をハイデラバードで用意。(250リットルで80万円もする...) 液体窒素:問題なし。 ヘリウムガス:ボンベを1本用意してもらう。

その他アクションアイテム、技術情報要求等: 資料中に一覧表あり。

宿舎をどうするか?宿舎<->実験場間の移動も問題。

日程: 11/15 打ち上げを目標とする。2週間前に現地入り。逆算すると荷出しは 9月8日頃。 連続して2フライトを目指す。

日印間の情報交換をFTPサイトを通じて行う。(川田氏が立ち上げ中)

[議論]

・今後のスケジュール ゴンドラ設計:3月中(伊藤/成田) -> 5月初頭に名古屋へ納入。 各種モーター:3月中に納入。4月中に名古屋で冷却試験。 その他作業項目、日程をhttp://grape.c.u-tokyo.ac.jp/ doi/Balloon/item99.psに 置く。(item99.htmlにも置くかも知れない。適当に探して下さい。)

・作業担当 検出器まわり:??、土井 搭載エレキ:有村、伊藤 ゴンドラまわり:伊藤、成田 渉外、輸出手続き:芝井

検出器の担当者が1名不足。早急に配置を決める。

・D'Costaさんの日本での仕事 滞在3/25〜5/6予定。 4×8素子検出器の組み立てを行う。 但し滞在期間が短い為、1)滞在期間を延ばす、2)今回は我々の気球の作業を手伝って もらう事にする、等の対処を講じる可能性有り。インド側と相談へ。(A/I芝井)

・インドでの陣容 スタッフは複数が1〜2週間ずつローテーション。院生は長期滞在し、ばりばり準備を 行う。

[次回打ち合わせ]

4月末を目処に、改めて調整する。

(文中敬称概ね略、文責土井)


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