(1b) 大気・海洋進化
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(0) 表層環境:研究内容
intro1

(1) 海洋の元素濃度の経年変化の推定

 『地球表層環境と生命進化の謎の一つである。なぜ生物はリン酸塩を使うのか?太古の海は、従来みんなが想像するようにリンが乏しかったのか?本当は多かったのではないか?』

 また、しばしば、生命の化学組成は、海水組成に似ており、それは生命は海水から生じたからとか言われる。それは、本当なのか?

 海水組成は、ずっと変化しなかったのか?また、変化してきたのならば、それと生命進化にはどのような関連が見られるのであろうか?そのような、疑問を解決していくのが、私たちの研究内容です。

komiya

 現在の海水の組成と植物プランクトンの組成。一般的に良い相関があるが、それぞれの元素の海水中での挙動を考えるとより系統的な違いが見られる。 この差の原因は? 「現在の生物は過去の海水の組成を反映しているのではないのか?」

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(2) 古海水組成の定量化: ①流体包有物の微小分析

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 炭酸塩鉱物やチャートや熱水性石英中の流体包有物は過去の海水を閉じ込めたもの。 その化学分析から過去の海水の元素濃度を推定できる。

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 レーザーICPMSを用いて、流体包有物の組成を分析

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 流体包有物の組成を分析するPIXE (筑波大学黒澤研究室)

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(3) 古海水組成の定量化: ②炭酸塩鉱物の局所分析

 炭酸塩は海水から晶出した鉱物なのでその化学組成は海水の化学組成に依存している。そこで、それを分析することで、当時の海水の化学組成が分かる。世界各地から浅海で堆積した炭酸塩岩、特にストロマトライトを収集しています。

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stromatolites
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(4) 生命進化と海水組成

①従来の大気酸素濃度の増加の推定結果と生命進化

 表層の酸素濃度は25~22億年前に急激に上昇。
 また、原生代—顕生代頃(6-5.4億年前)に再び上昇。特に、6億年前の上昇には独立の証拠はない。
図はCondie & Sloan, 1997より

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①海洋中の酸素濃度((a))は太古代後期に急激上昇。その後は増減を繰り返す。特に全球凍結の時に、海洋酸素濃度が減少。  
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(5) 後生動物の出現/進化(カンブリア爆発)と海水組成

〜詳しくは、こちらを参照〜

復元した海洋の生命必須元素含有量と生命進化の比較

 エディアカラ紀からカンブリア紀の生命進化は海水組成進化と極めてよく対応。当時の生命進化は海水組成の変化(表層環境変動)によって、引き起こされていた。このことは当時の動物は必要な遺伝子はすでに有しており、すべての動物が環境変動に即座に対応し、同時に進化したのかもしれない。

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(6) リン酸塩岩と生命進化

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リン酸塩岩の形成メカニズム:リン濃度の増加??

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(7) その他

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