観測領域中で、データを空間的に十分密に取得しているかを以下に見積もる。BICEのビームはいつだったかの望月レポートにより、12.8'の等価円盤を採用する。FPS Scan Go/Backを各々独立なデータ点とみなし、空間上の各点のデータ取得回数を求める。空間を2'グリッドに切り、観測点から半径6.4'の円盤が完全に覆った場合を1回の取得とし、グリッドの一部しか覆わなかった場合は、覆った面積に等しい量をデータ取得回数として与える。
見積の結果を、表、図に示す。観測領域内の大部分で、十分な回数のデータ取得が行われていることが分かる。
回数 | x < 1.0 | 1.0 ≦x < 2.0 | 2.0 ≦x < 5.0 | 5.0 ≦x < 10.0 | 10.0 ≦x |
割合(%) | 0.3 | 1.0 | 13.3 | 71.9 | 13.5 |
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Figure: 12.8'beamによる、データ取得回数分布: Contourは1.0(回)
但し、BICEの観測の特性から、データ取得はAzimuth方向に密に行われ、Elevation方向に粗となっていると考えられる。これを見積もるため、1空間スキャン中のサンプリング回数のdouble countを認めない結果を表、図に示す。この場合は、グリッドをビームが完全に覆わない場合は、覆った面積を四捨五入し、サンプリング回数とした。
Figure: Cross scan 方向のデータ取得回数分布: データ取得を行った空間スキャンの回数を示す。
見積の結果、観測領域の多くの範囲では、ナイキスト定理を満たす2回以上のサンプリングが行われていることが分かる。但し、特に観測領域の左右(東西)の端付近では、1回のみのサンプル領域も目立つ。さらに、極一部ではあるが、空間スキャンに挟まれ、全くサンプルの行われていない領域も存在する。