C元素の電離度

  Cの電離度を直接見積るのは難しいので、これに近い電離ポテンシャルをもつSの電離度を、可視光の観測より見積る。

前出のSabbadin (1976) の観測より、

一方土井のモデル計算によれば、 K、 に於て、

となる。従って、Sの大半(≧60<tex2htmlpercentmark>)がS+と考えられる。表gifに各元素の電離ポテンシャルを示す。もし電離領域でSのうち≧60<tex2htmlpercentmark>がS+であるならば、Cについても同様と考えられる。

一方[NII] の強度はモデル計算と大きく矛盾し、〜10<tex2htmlpercentmark>のみがN+と考えなければならない。一般のHII 領域に於ける光子電離を考えると、Sは大半がS2+、一方Nは大半がN+となる(e.g. Mathis 1982, 1985, Rubin 1985)ので、ここをきちんと考えると電離ガスのenergy sourceについてなにか言えるのかも知れない。

 

 
Atom I II
C 11.260 24.383 (eV)
N 14.534 29.601
S 10.360 23.33 \
Table: Ionization Potentials


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