3.2 半導体上での読み出し回路の形成

前節の議論により多数の量子ドットを配置した場合、その検出信号の読み出し回路規模が拡大する事が予想され、結果としてそれが素子数の制限となる事が考えられる。 これを避ける為、量子ドットと同じAlGaAs/GaAs半導体上にHEMT型のトランジスタを形成し、これを読み出し回路として利用する事が考えられる。

前述の2次元電子系中には電子を捕捉する不純物準位が存在しない為、極低温下でもトランジスタを動作させられると考えられる。 しかし強磁場下でのトランジスタ動作や、発生する熱への対策は検討を要する。

あるいは量子ドットその物を共鳴トンネルトランジスタとして用い、これを読み出し回路に利用する事も考えられる。

実現に当って検討すべき課題は多いが、本検出器を多素子化し、効率の良い観測を目指す場合、解決の必要な課題と言える。


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