東京大学 大学院総合文化研究科広域科学専攻 広域システム科学系 教授(リンク)
東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授(兼担)(リンク)
(理学系研究科(本郷キャンパス)からも、研究室に所属できます)

駒場キャンパス16号館826B室 

e-mail: komiya○ea.c.u-tokyo.ac.jp(○は@に書き直してください)

専門分野:地球生命環境進化史, 地球物質循環, 化学古生物学, 汎地球型惑星進化モデル

komiya

プロフィール

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最近の成果

①地球最古の表成岩の発見

(1) カナダ・ラブラドル:最古の表成岩と生命の痕跡を探せ!

ー冥王代地球解読ー

→最古の表成岩(噴出岩や堆積岩)を発見。これまでの最古の表成岩は、西グリーンランド南部・イトサックテレーンのアキリア島の縞状鉄鉱層(38.5億年前)などであった。

→私たちが行なった地質調査と採取した花崗岩質片麻岩中のジルコンの年代測定から、39.5億年前以前の表成岩を発見(こちらに(更新版旧版))!これは現存する最古の表成岩(堆積岩や溶岩)

②地球最古の生命の痕跡の発見: 定説を1億年以上更新 (プレスリリース, 紹介記事, その他)。

→39.5億年前以前の堆積岩から生命の痕跡を発見(こちらに)!現在、最古の生命の痕跡は38.3億年前なので、1億年以上も更新する!!!

③エディアカラ紀からカンブリア紀の後生動物の出現と多様化(カンブリア爆発)の原因の解明

→後生動物の出現と多様化は海水組成変動と極めてよく対応:海水中の生命必須元素の濃度の変化がこの進化の原動力となった(こちらに)。

④カンブリア紀最初期の微化石の三次元像解析

→次々とこれまでに見られない形状の化石が見つかっている。また、刺胞動物の5数性構造、エディアカラ動物と節足動物のリンクとなる化石など新たな発見が得られた(こちらに)。

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現在の主要研究テーマ:詳細はこちら

研究テーマ

(1)地球生命環境進化史 地球の進化を固体地球、大気・海洋、生命進化の面から総合的に解読し、それぞれの相互作用を読み解く。

①初期地球に生息していた初期生命の生物種の特定と表層環境解読。
➡︎初期地球における生物多様性
➡︎初期地球における生物進化のテンポと生命の起源
➡︎初期地球における生命と表層環境の共進化
②原生代中期の表層環境解読と生命進化
➡︎原生代中期(古原生代と新原生代の全球凍結に挟まれた時代)は真核生物の出現と進化・多様化の時代とされる。
➡︎真核生物・多細胞生物(藻類)・多細胞動物の出現。
➡︎大気海洋の酸素濃度、海水温(気候)および海洋栄養塩濃度解読
➡︎表層環境と真核生物の共進化

キーワード
最古プレートテクトニクス、冥王代地殻、全球凍結、生命進化、最古多細胞動物出現の原因、カンブリア大爆発の原因、24億年前の表層酸化イベント、中期原生代の表層環境、固体地球と生命進化

(2)地球物質大循環。

①特に酸化還元(Fe, C, Sの挙動)と水や親水元素について
②地球史を通じた物質循環(マントル熱史・プレートテクトニクス・表層環境)
ー時間軸を入れた議論ができるのは、それらを解読している小宮研のみー)
③地質・地球化学研究とモデリングの総合的解読

(3)化学古生物学の創設
①化学組成や同位体組成に基づき、化石を解析。
②形態による分類ではなく、生体機構に基づく化石の解析と古生物学。
③SPring-8を用いたX線顕微CT解析(詳細はこちら)。

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小宮グループ調査地域

2024年度、地質調査地域:
(調査に参加し、研究を意欲的に行いたい者募集)

(1)カナダ・ヌブアギツック表成岩(2008年のScienceで最古の表成岩が提案された場所)
目的:最古の表成岩と生命の痕跡を探す!核形成や後期隕石重爆撃の証拠を探す

(2)インド調査
目的1:原生代中期(17~14億年前の環境変動と生命進化)
➡︎海水栄養塩濃度、酸素濃度および海水温の推定(世界的にまだ誰もしていない新しい研究)
目的2:原生代中期(17~14億年前の生命進化)
➡︎インドは最古の多細胞生物(藻類化石)が産出。その機能と生息環境を推定  

(3)南中国調査
目的:エディアカラ紀ーカンブリア紀境界の環境変動と化石研究

(4)北中国調査
目的:原生代中期(17~14億年前の環境変動と生命進化)
➡︎海水栄養塩濃度、酸素濃度および海水温の推定(世界的にまだ誰もしていない新しい研究)

調査地

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小宮グループ調査地域

2025年度、地質調査予定、地域
(調査に参加し、研究を意欲的に行いたい者募集)

(1)西グリーンランド南部・イスア表成岩帯:私たちの研究によって最古の表成岩や生命の痕跡が発見されるまで、長らく地球最古の地としてされてきた聖地
目的:初期地球と生物多様性の痕跡と初期地球環境を読み解く

(2)インド調査
目的1:原生代中期(17~14億年前の環境変動と生命進化)
➡︎海水栄養塩濃度、酸素濃度および海水温の推定(世界的にまだ誰もしていない新しい研究)
目的2:原生代中期(17~14億年前の生命進化)
➡︎インドは最古の多細胞生物(藻類化石)が産出。その機能と生息環境を推定

(3)南中国調査
目的:エディアカラ紀ーカンブリア紀境界の環境変動と化石研究

(4)北中国調査
目的:原生代中期(17~14億年前の環境変動と生命進化)
➡︎海水栄養塩濃度、酸素濃度および海水温の推定(世界的にまだ誰もしていない新しい研究)  

調査地

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調査の様子の写真(上図の地名をクリック or 下のリストから)

(1)China(南中国、三峡地域など)   調査年:2004年〜:全球凍結からカンブリア大爆発まで
(1), (2), (3), (4), (5), (6), (7)

(2)Svalbard(スヴァールバル諸島) 調査年:2007年:全球凍結直前から全球凍結中の環境解読

(3)Altai(ロシア、アルタイ地域)  調査年:2008年:エディアカラ紀からカンブリア紀の環境
(1), (2), (3)

(4)Solomon Islands (ソロモン諸島)  調査年:2004年
世界最大の海台オントンジャワ海台とスーパープルーム

(5)Acasta, Canada (アカスタ片麻岩体)  調査年:2004年, 2015年:最古の地質体
(1: 2004年), (2: 2015年)

(6)Isua, West Greenland (西グリーンランド イスア表成岩帯)  調査年:1993年:
(1),(2)最古の表成岩、生物の証拠、海洋の証拠、プレートテクトニクス

(7)Taitao ophiolite, batholiths, Chile (チリ、タイタオオフィオライトと花崗岩)  調査年: 1999, 2000年
海嶺沈み込みと最も若いオフィオライトと花崗岩

(8)Australia, Pilbara, Yilgarn (オーストラリア、ピルバラ、イルガルン)  調査年:2010年
23億年前の全球凍結時の礫の採取と35億年前から19億年前までの海水ー熱水を捕獲した石英塊の採取

(9)Australia, Pilbara, Yilgarn (オーストラリア、ピルバラ)  調査年:1994~2004年
太古代から原生代の固体地球(マントルや大陸)進化と表層環境変動解読

(10)Saglek Block, Labrador, Canada (カナダ、ラブラドル、サグレック岩体)  調査年:2011~2013年
最古の表成岩の発見とプレートテクトニクスの証拠
太古代最初期の表層環境解読と最古生命の証拠。生命の起源
冥王代地殻の量の推定と起源

(11)Saglek Block, Labrador, Canada (カナダ、ラブラドル、サグレック岩体)  調査年:2012年
最古の表成岩の発見とプレートテクトニクス。最古生命の探索
(1), (2), (3), (4), (5),(6), (7), (8) (院生blog引用)

(12)Tibet (チベット、ルオブサオフィオライト)

(13)Kimberlite (南ア、レソト、ボツワナ

(14)北中国 (初期太古代:瀋陽周辺)

(15)Australia, Yilgarn (オーストラリア、イルガルン, Jach Hills, Mt Narryer)
調査年:2004年: 冥王代物質探査

(16)Barberton緑色岩帯(南アフリカ共和国)
調査年:1996~2000年: 2013, 2014

(17)コロンビア共和国, ゴルゴナ島
調査年:1999年: ゴルゴナコマチアイト(90 Ma)

(18)スペイン, ロンダカンラン岩体
調査年:2000年: グラファイトを含むガーネット・アルパインタイプカンラン岩

(19)SPring-8での微化石や澄江化石の三次元像解析
(2011), (2012), (2013), (2015)

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受賞歴
日本地質学会小沢儀明賞(層序・古生物学), 2009年
受賞理由 受賞記念講演要旨(PDFで開けば読めると思う)
(地質学会のサイトへ)

日本地質学会 Island Arc 賞2016, 2016年
受賞理由(地質学会のサイトへ)

日本地質学会小藤文次郎賞2018, 2018年
受賞理由(地質学会のサイトへ)

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研究業績(査読あり国際誌と書籍)

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最終更新日

2024年4月28日 日曜日

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